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生成系AIとchatGPTについて

AI=人工知能で、その役割や用途は非常に多岐にわたってますが、ここではAI=生成系AIに限って話題にします。

少し前に世間を騒がせた生成系AIの話題ですが、最近はテレビ番組の制作現場で飽きられちゃったんでしょうけど、あまり頻繁には取り上げられなくなりましたね。

まぁ生成系AIの問題の意味を理解して報道してた訳では無い様に見えましたし、そもそも一般の人からすれば、へぇ~!凄いね!という以上の感想はあまり無いんじゃないかなと、個人的に思うのです。


当然ながら、興味ある人は、ずっとニュースを追いかけてると思うので、ずっとホットな話題であり続けてるという事は知ってるかとも思います。




コロナ禍で半失業状態になってる時に、知的財産権に関する勉強をして、日本の特許庁で扱ってる代表的な4つの知的財産権登録の内、実用新案、意匠登録、商標登録の3つをそれぞれ取得出来たのですが、その時に学んだ色んな事を考えあわせた結果、これは知的財産権で揉めるだろうなぁ、と思いました。


個人的に気になる、生成系AIが抱える大きな問題は2つです。


一つは上でも書いてますが、知的財産権の問題ですよね。

これは商用利用に関するもので、つまりあらゆる産業分野で必ず大問題となりますし、実際に世界中で問題視されてますよね。

今はまだ法整備が追い付いていないので曖昧になってますが、欧米先進国では基準作りが進んでるようです。

知的財産権が無視される、という事は全ての産業の基盤を破壊することになりかねないので、そういう方面で何かしらの基準が作られるのは間違いないと思います。




もう一つは、生成系AIを迂闊に利用すると、知識と技術の習得についてシャレにならないくらい妨げになってくるだろうなぁ、という物です。この問題についてはかなり深刻に心配してます。


現時点で、「生成系AIの使い方」が上手になるというのは、「AI側に的確な指示を与えること」だと考えてると、かなり深めの落とし穴に嵌る可能性があるんじゃないかな?と思うのです。


知識欲のある人や、技能習得に集中出来る人にとっては乗り越えられる問題だとは思いますけども。


例えば、「プログラミング」という分野です。

C言語の場合でのハローワールドのお手本例を見てみましょう。。

------------------------------------
#include

int main(void){
printf("Hello,World!\n");
return 0;
}
------------------------------------

これを、chatGPTに書かせた結果、下のコードが瞬時に表示されました。

------------------------------------
#include

int main() {
printf("Hello, World!\n");
return 0;
}
------------------------------------

まぁ当然ながら、瞬時に出てきます。


main関数の()内だけが違いますが、少しでも勉強した人であれば、「この場合に関しては問題無い」と判断すると思います。


個人的に、幾つかのプログラムを作らせてみましたが、なるほど便利なもので、多少のエラーが起こっても、コードを作り変える為の、指示の出し方を工夫しまくれば、やがてまともに動くコードが得られました。


もう参考書いらんやんw って思いますよねw


ところで。


このchatGPTが出してきたコードが合ってるかどうか?ってどうやって判断しますかね?上に書いた通り、プログラムを読み書きできる人なら造作もないことですが、出来ない人には不可能なので、動作するかしないか?でしか判断出来ません。


これはあくまで「例」でして、実際にはもっと複雑で何十いや何百行、何千行にもなるコードだとしましょう。


これで、何となくプログラムが動作してしまえば、もう中身がどうなってるか?なんて興味持たなくなりますよね。


もちろん、動作させてる内に想定外の操作で致命的なエラーが発生しても、とこをどう修正すれば良いのか?も判らない訳です。修正箇所と修正方法を正確に指摘できれば良いですが。まぁ出来ませんよね。


それが出来る人は、chatGPTを使わなくても、自分で正しいコードが書ける技能がある人なので、AIに書かせて、それを読んでから修正するよりも、自分で書いた方が早いでしょう。どっちみち読み返す事になる訳ですからね。


今後、更に進化して、そういった読み返し、再検証の必要が無くなる将来があり得るとは思いますけどね。


現時点で、個人的に深刻に思うのは、見た目上、希望した通りに動いてる様に見えるプログラムにもバグが存在する事はザラにある訳ですが、もう最初からコードが読めない人間が作ってるプログラムになってくると、作った本人には修正しようが無い訳です。何がどうなって動いてて、何がどうダメでエラーになってるのか?なんて判る訳ありませんからね。



これ、プログラムだけの話じゃないんですよね。絵にしても音楽にしても文章にしても、何にしてもそうなんですよ。


基本的な知識と技術を持ってない人がAIに任せてしまうと、技術を習得する為の努力をしなくなるだけじゃなく、完成品の品質管理も出来ないモノが流通し始めてしまうんです。


行政文書をAIに任せようという試みもなされてる様ですけど、単に時短や人件費節約って話ではなく、職場内に文章を作る、書く、という作業が出来る人材が減ってしまう、それどころか、文章に間違いがあっても誰も気付けない、最悪は、その責任をAIに負わせるケースまで出てくる可能性があったりします。

学校でも同じで、教師が資料作るのもそうだし、それに答える側の学生もそうなんです。




まぁ、逆に言うと、一時期、イラストレーターの仕事が無くなると大騒ぎになってましたが、恐らくそう遠くない将来、迂闊にAIにイラストを描かせて公表すると、そもそも著作権の問題で引っ掛かることになるでしょうし、そんな使い方をする人が増えれば増えるほど、手で絵が掛ける人の価値は逆に跳ね上がってきます。


今後、知的財産権の問題をクリアする為に、AIの学習用にオリジナル素材を提供する仕事、というのが必要になってくる事は充分あり得ると思います。


これは当然ながら、絵だけじゃなく、全てのジャンルにおいて、です。


しかも、AIの精度が高くなるに従って、危険度は増す事になるのです。


そうなった時に必要とされなくなるのは、AIに脳と手を預けてしまった人々、という事になってくる訳で、chatGPTに代表されるような、そしてこれからどんどん出てくるであろう生成系AIを「使う」ことに集中し過ぎると、思わぬ弊害が確実にあるよ、という事をよくよく理解しておく必要があるなぁ、と思ってます。


AIを上手に利用する、という事をどう理解するか?かつての計算機に登場、PCの登場、スマホの登場と比較する考え方もあると思いますが、生成系AIの登場は、そういったどちらかと言えばハードウェア寄りの技術革新ではなく、ソフトウェア寄りの技術革新なので、少し違う側面があるんじゃないかな?と思います。


他にもまだまだ判ってるつもりでいても、実は判ってない、という事がある気がするなぁ、というのが、現段階での個人的な感想です。


物凄く便利なツールである事には疑いの余地がありませんが、実社会で実践利用するには、やはりまだまだ見えていない部分も含めて問題が多い様です。
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tag : 生成系AI

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