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酸素濃縮器との生活に100均の本革はぎれ

本家サイトでチラっと触れてますが、老母が肺を患ってます。

コロナの第四波が収まり掛けてた頃、体調が悪いと感じながらも普通に生活をしていて、ある日、いきなり呼吸が苦しくなって倒れたのでした。

時期的にも症状的にも、当然ながらコロナ感染が疑われたのですが、幸いにもPCR検査は陰性。


そして・・・


精密検査の結果、肺癌が判明。



う~ん・・・非常に複雑です。


幸いにも(ん?)、即座にどうこうというような状態では無く、ともかく呼吸が満足に出来ないので、手術を前提に入院しました。まぁ当然ですね。


ところが、ご承知の通り、その後、コロナの第五波が到来しました。


この第五波の初期段階で、大阪では大きな病院にコロナ病床確保の命令が下りました。コロナ対応としては当然というか、良い判断だったでしょう。第四波では大阪で多くの悲劇が起きてしまいましたからね。


しかし、その影響が我が家に降り掛かってきました。同じ呼吸器科の病床という事もあるのでしょうね。

母親の手術はキャンセルされ、投薬療養に切り替わって一時帰宅となりました。

状況的にやむを得ない事は家族一同理解できましたが、非常に腹立たしかったのは、この間に予定してた高齢者枠でのワクチン接種予約がキャンセルさせられた後のフォローが無かった点ですね。

この予約は、兄弟の家族が総出でどうにか確保したものでした。

もちろん、コロナに感染するリスクがほぼ無い病院に入院する事になった訳なので、それは構わないと了承してたのですが、第五波への備えとして半強制的に退院させられた挙句に、キャンセルとなったワクチン接種の予約の見通しが全く立たないのです。

丁度、日本中でワクチンの数が足りないとかで、大騒ぎになってた頃です。

結局、病院側では対処出来ないという事で、高齢の肺癌患者という超ハイリスク者を自宅で看病することとなった訳です。


さて、肺が満足に機能しない状態での退院ですので、酸素濃縮器をレンタルする事になりましたが、これは第五波の直前だったので普通に借りる事が出来ました。

その後に起こった状況を考えると、これも運が良かったのかどうだか微妙ですが、少しの差で何の苦も無く借りれて良かった事は確かですね。


ここまでが・・・前置きww


さて、これがその酸素濃縮器です。 もうテレビとかでもお馴染みの機材ですね。

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電源スイッチ、酸素濃度を調節ボタン、そして酸素を送るチューブが取付けられてるだけのシンプル構造。

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この酸素送出用のチューブですが、コロナ患者の場合は、他の全身症状も酷く身動きが取れないので、大した問題にはならないでしょうけども、肺癌患者の場合は、他に症状が無ければ、酸素を吸ってさえいれば割と自由に動き回れるので、自宅で療養する場合は、延長して患者の移動範囲を広げることになります。


その延長チューブはこんな感じ。

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これを何mも引き摺って生活する訳ですw 当然、かなり邪魔なのです。



ネットで調べていると、自宅で長期闘病しておられる方々は、チューブを取付ける為のカーテンレールを家中に引き回すなど、様々な工夫を重ねておられて、私たちもそれらを参考にさせて頂こうとしたのですが・・・家の構造がそれを許さず、どうしたものかと考えました。


ちなみに、本体に付属?のチューブ取付パーツはこんな感じです。白い樹脂製で、裏側に磁石がついていて、家の中の金属部分に張り付けて、チューブを通して使う仕組みです。

DSC04328_600.jpg

ところが、文字にすると伝わり難いのですが、チューブにはそれなりの重さがあるので、この樹脂製パーツにチューブを通すと、重力によってチューブが滑って本体のある後ろ側に引っ張られ、このチューブの先にある、患者の鼻というか、鼻にチューブを固定してる耳を引っ張る事になる訳です。ええw

で、引っ張られるチューブを、自分側に引っ張り返すと、磁石でくっついてるだけなので、このパーツごと床に落ちてしまう、という、正直、全く役立たずな訳です。はいww


電話でこの苦情を聞いた時には何の事かさっぱり判りませんでしたが、実際に目で見た結果、申し訳無いながら爆笑してしまいましたw そりゃ文句の一つも言いたくなるでしょう。




で、考えた結果、100均の「本革はぎれ」 (・・・で無くとも良いのですがw 強度もあるし、余ってるしw) で、あちこちに引っ掛けられる的なものを作ってみる事に。

※尚、レザークラフト要素はほぼありませんw



まず、適当な巾と長さに裁断。

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切ったら磨くのがレザークラフトの基本 (嘘ですw)

裏側を、以前にコインパースを作った時の要領で、トコノールで磨いたり、染色したりして・・・・

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・・・はい、そんな事は一切不要というか、むしろ、やらない方が良い事に気が付いたので、やり直しwww


適当に裁断して、ハトメとバネホックを取付けます。

DSC04322_600.jpg


で、裏側にあたる部分に滑り止めを接着します。

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ハトメ穴にカラビナを通すと、こういう感じの、キーホルダー的な物が出来上がります。ものの数分で作れますね。

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もちろん、滑り止めは、チューブが滑るのを防ぐ為です。

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で、これを必要な箇所に引っ掛けて置くなり、その都度、引っ掛けるなりして使う、というアイデアです。引っ掛ける側の金具も100均とかで幾らでも売ってます。

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実際に取り付けてみました。 取付はカラビナを引っ掛けるだけなので一瞬です。

DSC04327_600.jpg


滑り止めのお陰で、普通にチューブを通しても、この状態でほぼ固定出来ます。

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絶対に引っ張られたく無い場合であれば、一回だけ輪っかを作って置けば完璧です。チューブの取外しも、バネホックを採用したので簡単です。

DSC04330_600.jpg


実際に使ってみてもらうと、これ、シンプルなのにかなり有効で、邪魔にならない所にカラビナを引っ掛ける為の小さな金具を取り付けて置けば、病人が移動しながら、要所要所でチューブを引っ掛けて、足元の安全を確保できますし、外す時も簡単です。


なかなか、健常者だとこういう不便とか、色んな工夫とか、想像も出来ませんが、実際に自分や家族が患ったりして、健常者とは異なる生活を余儀なくされると、途端に思い知らされるんだなぁ、と実感しました。

という訳で、幾つか量産して実家に装備する事に。

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その後、母親は予定より2カ月遅れてワクチン接種を受けることが出来、ファイザーだったので、3週後に無事に二回目を終了。

厳しかった第五波も無事に切り抜け、どうにか酸素濃縮器との暮らしに馴染んだ様です。


高齢者の癌なので、進行も遅い様で、自宅療養と言っても、コロナとは違って毎日、それなりに薬も飲んでおり、本人曰く、呼吸の苦しさが少しマシになってきたとの事。

それが回復を意味してるのか、体が慣れて来たという話なのかは判りませんw


自宅療養に切り替わった時点で、コロナ禍よりも以前から、全く別件で我が家で使ってたパルスオキシメーターを持たせていますが、確かに初期の頃は90%を切ることも珍しくなかったのですが、最近では95%とか、かなり良い値になっているようです。


コロナが落ち着けば、病院にも余裕が出て来るかと思うので、その時点でどう治療するのか、あるいは高齢なので進行が遅いのであれば無理な治療はしないのか、などと言う計画を立てられると良いなぁ、と思っています。
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